大阪高等裁判所 昭和25年(う)1729号 判決
弁護人は原判決は第二事実として被告人がドラム罐入軽油を譲受けたことを認めたが、本件の油は一般に瓦斯軽油と呼ばれ斯業界では統制外の品物として取扱われておるものであるから、石油製品配給規則の石油にあたらないと主張する。
しかし石油製品配給規則(昭和二十二年十月三十一日公布)第一条によれば石油製品とは別表に掲げるものをいうと規定せられ、別表の第一号には軽油その他五種の石油製品を掲げ、同表の第二号には前号の石油製品の品目は商工大臣の定めるところによると規定し、之に基く昭和二十二年十月三十一日商工省告示第七十六号石油製品配給規則別表の石油製品の品目指定の件には種別として三、軽油、その標準品目として軽油と規定し以て軽油については一切の品目を包含することを明かにしているのみならず、右別表の第三号によれば第一号に掲げる石油製品が前号即ち第二号によつて定められた製品以下の品質のものであつても本則の適用を受けるものとすると規定せられているのである。従つて凡そ軽油たる以上その品質の如何に拘らず全て右石油製品配給規則の適用あるものと言わねばならない。原判決挙示の証拠によれば本件の油が軽油であること明瞭であるから被告人の原判示第二の所為に対し該当法条を適用処断した原審の措置は正当である。たとえ所論のように斯業界において統制外の品物であるとして取扱われていることが事実であるとしても、それは右規則即ち法の不知による取引にすぎないか又はいわゆる闇取引が公然と行われているという証左に外ならない。論旨は採用できない。